【会社からの風景】
写真の通り、大屋ハイテックの周りには、田んぼが広がっています。
社員の何人かは、仕事の傍ら休日には米を作っています。
そして、私も休日に米を作っている一人です。
【稲の生育】
5月に植えた稲は、6月現在茎を太くしつつ株を増やしています。
あと2週間もすると、背丈がぐんと伸び、初夏の風にさやさやとそよぐようになります。
それは、猫バスが七国山病院に急ぐとき、バスの後ろに広がっていたのと同じ光景です。
7月中旬には花を咲かせ実を結び、8月に実を大きく太らせ、9月には収穫されます。
そして、9月の終わりには、新米を食べることができます。
田んぼでは、今年も例年と同じことが繰り返されています。
【令和の米騒動】
ところが人間世界では、米不足・価格高騰という騒動が起こっています。
今まで何とか動いていたシステムが、わずかな状況変化で、うまく動かなくなりました。
米供給システムの生産と流通に問題がありそうです。
問題を知ってもらうため、山間地小規模農家の米つくりについてお知らせします。
【我が家の米つくり(35年前)】
35年前、我が家は40aの田んぼで、1年に約2tの米を作っていました。
1tを自家消費(私家族7人、弟家族5人、親戚の贈答用)し、1tを売っていました。
1tの米の販売価格は20万円ほどで、肥料代等を払うと10万円が手元に残りました。
農業機械の購入には5〜6百万円かかりましたが、両親の年金で支払いました。
米つくりに要する労力は、父母と私の3人の合計で約30日(240時間)程でした。
このころの米つくりは、儲けるためではなく、食べ物を手に入れるのが目的でした。
大家族で、金・労力の資源を分担し、米を生産するのどかなやり方でした。
【我が家の米つくり(現在)】
20年前、両親は高齢となり米つくりから引退、子どもたちも独立して家を離れました。
今までのやり方が使えなくなったとき農事組合法人が設立され、加入しました。
組合法人は、60戸の組合員からなり、耕作面積は26haと、山間地では大きな規模で、
農地を荒らさないこと、組合員に安く米を提供すること、賃金をしっかり払うこと―
これを守って米を作っています。
令和6年の米の販売価格は、白米5kg換算で1,740円でした。
米騒動の影響で、令和5年から370円アップしました。
この値段なら、もう少し米つくりができそうです。
【昭和38年豪雪の教え】
今回の米騒動を経験して、思い出すことがあります。それは、昭和38年の豪雪です。
大雪による2m〜3mの積雪で、1か月以上家に閉じ込められました。
そのため、食べる物を家の外から調達することができませんでした。
家の中にある物だけで、生活しなければなりません。
しかし、幸いなことに当時多くの家庭では、1年分の米、味噌、漬物が備蓄してあり、
これを食べて、人は飢えることはなかったのです。
私の両親にとって、米は買うものでなく自分でつくる物でした。
【小規模米農家のこれから】
今秋の収穫量が多くても、少なくても、米騒動は続く気がします。
令和7年産米のJA買取価格は6年産米より高くなるようです。
騒動がさらにひどくなれば、いよいよ外米が本格的に輸入されるかもしれません。
農家にとって、状況が良くなることはないかもしれません。
しかし、米がつくれる間は、なんとかつくり続けたいと思っています。