2025年07月01日

零細米農家のつぶやき

愼二@.png
【会社からの風景】
 写真の通り、大屋ハイテックの周りには、田んぼが広がっています。
 社員の何人かは、仕事の傍ら休日には米を作っています。
 そして、私も休日に米を作っている一人です。

【稲の生育】
 5月に植えた稲は、6月現在茎を太くしつつ株を増やしています。
 あと2週間もすると、背丈がぐんと伸び、初夏の風にさやさやとそよぐようになります。
 それは、猫バスが七国山病院に急ぐとき、バスの後ろに広がっていたのと同じ光景です。
 7月中旬には花を咲かせ実を結び、8月に実を大きく太らせ、9月には収穫されます。
 そして、9月の終わりには、新米を食べることができます。
 田んぼでは、今年も例年と同じことが繰り返されています。

【令和の米騒動】
 ところが人間世界では、米不足・価格高騰という騒動が起こっています。
 今まで何とか動いていたシステムが、わずかな状況変化で、うまく動かなくなりました。
 米供給システムの生産と流通に問題がありそうです。 
 問題を知ってもらうため、山間地小規模農家の米つくりについてお知らせします。
  
【我が家の米つくり(35年前)】
 35年前、我が家は40aの田んぼで、1年に約2tの米を作っていました。
 1tを自家消費(私家族7人、弟家族5人、親戚の贈答用)し、1tを売っていました。
 1tの米の販売価格は20万円ほどで、肥料代等を払うと10万円が手元に残りました。
 農業機械の購入には5〜6百万円かかりましたが、両親の年金で支払いました。
 米つくりに要する労力は、父母と私の3人の合計で約30日(240時間)程でした。
 このころの米つくりは、儲けるためではなく、食べ物を手に入れるのが目的でした。
 大家族で、金・労力の資源を分担し、米を生産するのどかなやり方でした。
 
【我が家の米つくり(現在)】
 20年前、両親は高齢となり米つくりから引退、子どもたちも独立して家を離れました。
 今までのやり方が使えなくなったとき農事組合法人が設立され、加入しました。
 組合法人は、60戸の組合員からなり、耕作面積は26haと、山間地では大きな規模で、
 農地を荒らさないこと、組合員に安く米を提供すること、賃金をしっかり払うこと―
 これを守って米を作っています。
 令和6年の米の販売価格は、白米5kg換算で1,740円でした。
 米騒動の影響で、令和5年から370円アップしました。
 この値段なら、もう少し米つくりができそうです。

【昭和38年豪雪の教え】
 今回の米騒動を経験して、思い出すことがあります。それは、昭和38年の豪雪です。
 大雪による2m〜3mの積雪で、1か月以上家に閉じ込められました。
 そのため、食べる物を家の外から調達することができませんでした。
 家の中にある物だけで、生活しなければなりません。
 しかし、幸いなことに当時多くの家庭では、1年分の米、味噌、漬物が備蓄してあり、
 これを食べて、人は飢えることはなかったのです。
 私の両親にとって、米は買うものでなく自分でつくる物でした。
 
【小規模米農家のこれから】
 今秋の収穫量が多くても、少なくても、米騒動は続く気がします。
 令和7年産米のJA買取価格は6年産米より高くなるようです。
 騒動がさらにひどくなれば、いよいよ外米が本格的に輸入されるかもしれません。
 農家にとって、状況が良くなることはないかもしれません。
 しかし、米がつくれる間は、なんとかつくり続けたいと思っています。

posted by 大屋 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 総務
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